住宅街の小さな離れ

Concept

この建物は、母屋の隣の離れとして、旦那さまの仕事のスペースであり、時に来客の宿泊スペースとしても使えるものとして計画されました。
物価高によるコストの制約もあり、必要な機能について、とことんシンプルにそぎ落としました。
結果的になんだか愛らしい建物になったように思っております。

建物のベーシックな要件として、耐力壁をシンメトリーにバランスよく配置し、
基礎は、耐久性と蟻害防止に有利な、打ち継ぎのないコンクリートの一体打ちとしました。
また、適度に圧密加工された杉板のフローリングを用いたことで、温水床暖房と床への足ざわりの柔らかさが両立しております。

外観に関しては、通りに面した南側の外壁は、スリット入りの赤身の杉板を張ったことで、より繊細で親密な雰囲気となっています。
東側の外壁面には、長い庇を設けました。この庇の下は、駐輪スペースとしても十分な広さがあり、雨がかりを避けた裏口に続くアプローチとしも機能しています。